- なんで企業はSDGsに取り組まなきゃいけないの?
- 子どもに「お父さんの会社はどんなSDGsをやってるの?」と聞かれて何も答えられなかった…
- SDGsを仕事に取り入れるには?
こんにちは!
ムコパパです
CMを見ていると、どの企業もSDGsにどう取り組んでいるかをPRする内容が目立ってきました。
「うちの会社でも何かしなきゃとは思うけど…」
「トップの人たちが決めることだし、私たちは何もできない」
世界のトレンドがSDGsの達成に向けて舵を切る中、どんな行動を起こすにも戸惑ってしまいますよね。
SDGsは企業が力を発揮してこそ達成できる目標であり、企業を成長させるビジネスチャンスでもあります。
逆にSDGsには法的拘束力こそありませんが、SDGsに取り組まない企業には周囲の企業からそっぽを向かれてしまうでしょう。
なぜならSDGsに取り組まない会社の製品は「倫理的に正しく生産されていない可能性がある」と認識されてしまうからです。
- この製品の原材料は本当に平等な取引で仕入れたものなのかな?
- こんなに低価格の商品を作れるなんて、製品を作っている人は安い賃金で働かされているのでは?
- 環境に配慮されていない材料でできていたとしたら気まずいな…
などと疑われてしまう
SDGsは2030年までの目標達成を目指していますが、2030年が来たら「はい、おしまい」ではありません。
2030年までに【持続可能な社会を築くための倫理や考え方】を身につけることこそ大切なゴールなのです。
であれば現在社会人の人も、これから社会人になる人も、自分が働く会社を存続させるためにSDGsを学ぶ必要があります。
けど、仕事で忙しいのにSDGsのことなんて勉強している時間はないよ…
そこでおすすめなのが今回紹介する「60分でわかる!SDGs超入門」です。
- SDGsの基本
- SDGsのビジネスへの取り入れ方
- ビジネスとSDGsを両立させる企業の例
「60分でわかる!」というタイトルのとおり、本当に60分で読みきれるボリュームとなっています。
ひとつのテーマが見開き1ページで説明されているので、簡潔かつわかりやすくまとめてあり理解しやすいです。
マンガ本と同じサイズで、カバンに入れてもかさばりません。
電車の中や休憩時間にサッと取り出してパッと読めるので、ビジネスマンにはうってつけの一冊です。
- 60分で読みきれる内容
- 見開きで簡潔かつわかりやすく解説されている
- マンガ本と同じサイズで持ち運び安い
僕は最初はSDGsのことなど全く知らない、ごく普通のサラリーマンでした。
しかし我が子が産まれ、我が子が少しでも住みやすい地球を残したいと思い、SDGsを日々学んでいます。
今回ご紹介する「60分でわかる!SDGs超入門」は、私も仕事をする上で大変参考にしていることが盛りだくさんです。
- SDGsの目標達成には企業の力が必要不可欠
- 「課題を見つける思考法」と「課題を解決する思考法」がビジネスにもSDGsにも役立つ
一緒に学んでいきましょう!
企業がSDGsに取り組むべき4つのメリットと注意点


お仕事でSDGsに取り組むとどんないいことがあるの?
大きく4つのメリットがあるよ
- 企業イメージの向上につながる
- 社会の課題への対応
- 生存戦略になる
- 新しい事業を創出する機会になる
企業イメージの向上
環境や街づくりや人材育成など、持続可能な社会の創成に貢献している企業に悪いイメージはつきません。
「この企業の製品なら買ってみようかな」と消費者の関心を寄せることに繋がります。
社会の課題への対応
実際に世界で発生している問題に企業として立ち向かい、社会貢献することができます。
社員や役員の働きがいや誇りに繋がることでしょう。
生存戦略になる
企業は競合他社より優れた商品やサービスを提供し続ける義務があります。
そこにSDGsを取り入れることによって、エシカル消費を大切にする顧客を獲得することができます。
新しい事業の創出
これまでになかった新しい価値観を持った企業同士が協力し合うことによって、SDGsの目標達成に向けた新たな商品開発やサービスの提供が実現します。
ただし、注意すべき点もあります。
- 投資家、消費者にSDGsへの取り組みをPRする
- 嘘をつかず誠実に取り組む
- 法的拘束力はないが社会的拘束力があることを忘れない
当然ながら、自社がSDGsに取り組んでいることをアピールしなければ、投資家や消費者に注目してもらえません。
なんで投資家にも注目してもらわなきゃいけないの?
詳しくはこちらの記事で解説しているよ



またSDGsへの取り組みは、嘘をつかず誠実な取り組みでなければなりません。
実は口ばかりの行動であったり、SDGsへの貢献度合いの数値などを誤魔化したりすることは「SDGsウォッシュ」といい、消費者や協力会社からの信頼を大きく損ねます。
そしてSDGsには法的拘束力はありませんが、社会的拘束力があることを忘れてはいけません。
SDGsに取り組まなくてもよいですが、取引先の企業から取引を解消されたり、消費者に製品を買ってもらえなくなるかもしれません。
SDGsに取り組む場合、ありのままの成果を報告するようにしましょう
CSRとCSVとSDGsは何が違う?
- CSR(企業の社会的責任)…
企業が定めた本業と関係のない社会貢献、寄付や協賛、法令遵守など。 - CSV(共創価値)…
社会問題や課題解決のビジネス化のこと。経済効果と社会的価値の両立を目指す。
(例)東日本大震災の被災地の農作物で作った新商品など - SDGs(持続可能な開発目標)…
国連が定めた17個の目標。
混同されやすいですが、上記のような違いがあります。
サプライチェーンを見直してバリューチェーンで考えることが先決


具体的には何から始めたらいいの?
まずは企業と企業のつながり【サプライチェーン】を見てみよう
サプライチェーンは「モノのつながり」のことです。
企業から企業へ渡る素材や製品の流れのことを指します。一般的には原材料の調達から消費者に届くまでをサプライチェーンの範囲としています。
サプライチェーンに隠された問題
- 人権問題…強制労働、児童労働、搾取、不平等取引、差別など
- 環境問題…水資源枯渇、自然破壊、違法な森林伐採、水質汚染、乱獲など
サプライチェーンはあくまでもモノのつながりとしてビジネスを構成するものなので、そこで働く人や環境に与える負荷が見過ごされてきました。
特に痛ましい事件として語られることが多いのが、バングラデシュ郊外の洋服裁縫工場の崩落事故です。
ある日、多くの社員がせっせと服を縫う工場のビルに大きな亀裂があることに従業員が気づきます。ビルを改修する必要がありましたが、それでは服の生産の手が止まるとして、トップの人間は亀裂を放置してしまいます。やがて亀裂は大きくなっていき、突然ビルが崩壊します。がれきの下敷きになった多くの人々の命が失われました。
このビルでは有名なアパレルブランドの服も作られていました。
企業はサプライチェーンの川上で起こっていることを把握し、川下に位置する企業もその責任を負うべきであるという倫理がとても重要視されるようになったのです。
ただ製品がスムーズに届くだけじゃだめなんだね
特に製品の値段が安い背景には、途上国の貧困問題や児童労働問題が隠れている場合が多いんだ
バリューチェーンで考える
バリューチェーンは「価値のつながり」のことです。
原材料の調達から消費者が処分するまで、どの工程でどのような価値が付加されるかを捉える考え方です。
バリューチェーンの工程と価値を分析することを「バリューチェーンマッピング」といいます。
「JA全農」の公開しているバリューチェーンマッピングを参考に掲載します。


まずは各工程ごとに社会・環境に与える正と負の影響を洗いだします。
そして負の影響を最小化し、正の影響を最大化することを目標とします。
バリューチェーンマッピングを取り入れると以下のようなメリットがあります。
- 自社のリスクを把握できる
- 自社とステークホルダーの両者にとって影響の大きい課題を見いだしやすくなる
- 課題の解決に関係する具体的なSDGs目標が立てやすくなる
バリューチェーンマッピングによって、自社のリスクを把握できます。
物流だけでなく社会・環境への影響を考えるため、サプライチェーンでは見逃していた課題に気づくことができるからです。
また正と負の影響を洗い出すことで、自社とステークホルダーの両者にとって影響の大きい課題を見いだしやすくなります。
そしてもっとも大きい影響を及ぼす工程を明らかにすることで、課題の解決に関係する具体的なSDGs目標が立てやすくなります。
自分の会社が社会や環境に与えている影響は何なのかをしっかり認識できるってことね!
負の影響を最小化しつつ、正の影響を最大化するポイントを見つけてSDGsにひも付けていけばいいんだ
SDGsを事業に取り込む「SDG Compass」を実践する


バリューチェーンマッピングで取り組む課題はわかったけど、仕事としてどうやっていけばいいの?
SDG Compassという手順に沿って行動していけば大丈夫だよ
SDG Compassとは、企業が自社のビジネスにSDGsを取り入れて運用していくステップを表したものです。
全部で5つのステップがあります。
ステップ①の「SDGsを理解する」で企業がSDGsに取り組むべき理由を共有した後、ステップ②~⑤をPDCAサイクルを回す要領で発展させていきます。
- SDGsを理解する
- 優先課題を決定する
- 目標を設定する
- 経営へ統合する
- 報告とコミュニケーション
- ②へ戻る
①SDGsを理解する
SDGsは企業が力を発揮してこそ達成できる目標です。
そしてSDGsに取り組むことによって得られるメリットも多数あります。
改めてそのメリットをおさらいしましょう。
- 企業イメージの向上につながる
- 社会の課題への対応
- 生存戦略になる
- 新しい事業を創出する機会になる
②優先課題を決定する
「バリューチェーンマッピング」をして、企業の事業活動がSDGsにどんな影響を及ぼすのかを把握します。もっとも社会的・環境的に影響を及ぼす領域
を見定めて、取り組むかどうかを検討します。
さらに、目標設定に必要な指標(CO2削減度、男女雇用比率など数値化できるもの)を選択します。
③目標を設定する
②で選択した指標をもとに、計測可能な数値として目標を設定します。
そこで必要になるのが、基準となる目標値と、SDGコミットメントの公表です。
たとえば「○○年の女性雇用比率▲▲%に対し、✕✕年までに△△%に向上させます」といった感じです。
④経営へ統合する
いよいよSDGsを事業に取り入れます。
SDGsを社内に浸透させるには以下の2点が重要です。
- 事業としてSDGsに取り組む根拠を伝え、SDGsが企業の価値を創造するという共通認識を持たせること
- 役割や報酬を設け、仕組み化すること
⑤報告とコミュニケーションをとる
進捗や結果を社内外に報告します。
この際は4つの「C」を心がけて情報発信すると、ステークホルダーの拡大につながり、支援の輪が広がります。
- 簡潔(Concise)
- 一貫性(Consistent)
- 現在(Current)
- 比較可能(Comparable)
まず、報告には情報過多を避けてなるべく簡潔に伝えましょう。
時間の経過と目標達成率を並べて常に一貫性のある内容であることも重要です。
そして過去の出来事でなく、現在直面している課題や今後の解決に集中しましょう。
競合他社と比較することで自社の強みや弱みを把握し、改善に向けた行動を促すことができます。
小さな組織からSDGsに取り組み、周囲の人々に浸透させ、最終的にはトップの役員クラスの人たちの意志決定で企業の方向性を決定することができれば、SDGsで企業に大きなイノベーションを起こすことができます。
また小さなチームにSDGs推進の権限を与えて「出島」として様々なトライ&エラーを検証させることができれば、新規事業への道が拓ける可能性が大いにあります。
仕事でSDGsに貢献していくのは大変そうだけど、小さなチームから始めてみるといろんな挑戦ができそう!
企業がSDGsに取り組むことで、今までになかったメリットが必ずあるよ!
以上、「60分でわかる!SDGs超入門」の解説でした。
本書はSDGsをてっとり早く学びたいサラリーマンや、仕事とSDGsの関係がいまいちよくわからない方などは必携の一冊といってもよいでしょう。
また就職活動をしている学生の方や大学生の方にも、本書のノウハウを活かして社会問題の解決に貢献するマインドを身に付けることができます。
特に今回では解説しきれなかったバリューチェーンマッピングは、様々な企業の取り組み事例を掲載しているので大いに参考になります。
ぜひ本書をお手にとって、一緒にSDGsについて学んでいきましょう。
- 企業がSDGsに取り組むことで様々なメリットがある
- まずはバリューチェーンで事業が与える影響を捉える
- SDG Compassにそって小さなチームから活動していく
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございます。
これからも一緒にSDGsについて学んで行動していきましょう!
まずはできることから!
できそうなことから!