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【おすすめの本】SDGsの後の世界はどうなる?日本はどうする?|「2030年の世界地図帳」をレビュー【中学高校生・社会人向け】

こんなお悩みありませんか?
  • 2030年に向けてSDGsの課題にに取り組んだら本当に地球は良くなるの?
  • 将来どんな仕事についたらいい?
  • 今の努力はムダじゃないのかな?
ムコパパ

こんにちは!
ムコパパです

SDGsの期限は2030年。
2022年現在、2015年のスタートから約半分が終了しました。
SDGsアクションに取り組んでいる方も、これからという方も、2030年に本当にすべての目標が達成さるのか考えたことはありませんか?

ワコ

2030年の地球はどうなっているのか、想像つかないな…

そんな2030年の地球をずばり予測する一冊の本を、今回ご紹介したいと思います。

それがコチラ↓

落合陽一先生の著書「2030年の世界地図帳」です。
本書は世界中に散らばる人口・企業の数・貧困率・CO2排出量などの数字の推移から、2030年に世界がどうなっているのかを予測した書籍となっています。
高校生や大学生の方には、これから世界に目を向けて進路を考えるきっかけとなる一冊です。
加えてサラリーマンや自営業の方には、社会人として自身が勤める会社とどう向き合っていくのか、事業をどう進めていくかの参考になる書籍です。

未来を予測した上で、「日本はスイスのような国になるべき」と本書では述べられています。
スイスは永世中立国で、高い技術力や希少性を付加価値にした腕時計や医療器具などのものづくりが盛んです。
税金は高いですが年収も高く、社会保障が手厚いため高齢者が住みやすい国世界1位に選ばれています。

スイスの特徴
  • 永世中立国の非EU加盟国
  • 腕時計、医療機器、精密工作機械などの技術力が高い
  • 物価が高い
  • 年収が高い
  • 税金が高いがその分福祉が手厚い
  • 高齢者が暮らしやすい国世界1位

日本は戦争の放棄を憲法に掲げており、高度経済成長を経て培われた高い技術力があります。
しかしスイスのように年収は高くなく、税金は安いです。
高齢者の方は多いですが、果たして住みやすい国となっているかは疑問です。

スイス日本
中立的な国永世中立 戦争放棄 
技術力高い高い
年収高い低い
税金高い低い
社会保障手厚い手厚い
高齢者の
暮らしやすさ

日本はスイスと似ている点はありますが、違う点の差が大きいと言えます。
それでも日本がスイスを目指すべき理由は、「技術に対する思想」が似通っているからです。
日本には伝統を守る「文化遺産」や、職人を守る「人間国宝」という意匠があります。
その考えは、一流の腕時計職人や高級車のエンジニアなどを手厚く守るスイスと同じです。
スイスは「人権・倫理」に基づいて価値を提供しますが、人権や倫理を守る統治はSDGsのルーツでもあります。

  • スイスは高い技術や希少性を「付加価値」として守る。→高級腕時計、高級車など
  • 日本は高い技術や技能を「文化遺産」「人間国宝」として守る。→スイスと似ている
  • スイスの「人権・倫理」に基づく価値提供はSDGsのルーツ。→ESG投資など
ワコ

スイス、ヨーロッパ、技術に対する考え方の全部が「SDGs」につながるの⁉

ムコパパ

SDGsは、地球環境を破壊してきた「大量生産・大量消費」の考えを改めて、人や技術の価値と自然の資源を大切にする考え方が含まれているからね

パリ協定」「投資責任原則」などに始まり、MDGs、そしてSDGsへと発展してきた「法や倫理に基づく統制」はヨーロッパ発祥のものです。
対して世界のイニシアチブを築いているアメリカや、ものすごい勢いで成長を見せる中国は、SDGsに対して何を考え、どう行動していくのでしょうか。
そして私たち日本人はどうしていくべきなのでしょうか?

今回はこちらの書籍を解説していきたいと思います。

ムコパパ

僕は最初はSDGsのことなど全く知らない、ごく普通のサラリーマンでした。
しかし我が子が産まれ、地球温暖化が進むこの世界を改めて見回して、
「我が子が安心して暮らせる地球を残したい!」と思うようになりました。
そこからSDGsの本やニュースを読み漁るようになり、私たちにできることを発信するようになりました。

この記事を読んでわかること
  • 技術の進歩とSDGsの関係
  • 2030年に向けて世界がどうなっていくか
  • 日本はSDGsとどう向き合うべきか
娘・ワコ

一緒に学んでいきましょう!

テクノロジーで変わる未来5選

ワコ

2030年の地球はどうなってるのかな?

ムコパパ

5つのIT技術で今までの常識がくつがえっていると思うよ

まず本書で書かれているのは、人類を豊かにする最新技術がどこまで発展していて、2030年に向けてどのように進化していくのかが予測されています。

最新技術を代表するのは、なんといってもIT技術です。
AIの登場に始まり、様々な分野でその恩恵にあやからない日はありません。

本書では以下の「5つの破壊的テクノロジー」が今後飛躍的に成長すると予測されています。

常識を壊す5つの破壊的テクノロジー

5つの破壊的テクノロジー
  1. AI
  2. 5G
  3. 自律運転
  4. 量子コンピューティング
  5. ブロックチェーン

それぞれを簡潔に解説していきましょう。

AI

AIはディープラーニングという手法を用いて自己学習を繰り返させることで、将棋のプロ棋士に勝利したり、絵画や小説などの芸術をこなすようになりました。
人間に替わって物事を考えたり判断できるようになります。

5G

5Gといえばスマートフォンの高速通信を思い浮かべるかと思いますが、使い道はそれだけではありません。
世界のどこにいても、世界中の人との多数同時ネット接続ができるので、時差や国境はもちろん、音声同時通訳によって言葉の壁すらもはや存在しなくなります。

自律運転

自律運転はアメリカや中国の一部の都市で試験的に実用化されつつあります。
自動運転と違うのは、目的地までドライバーに替わって運転するのではなく、無人の車がタクシーのように「呼べば来てくれる」ようになることです。
自家用車を持つ必要もありませんし、路線バスは時間通りに無人運転する未来が待っているかもしれません。

量子コンピューティング

量子コンピューティングとは、物理現象や化学変化など、様々な要因が複雑に絡み合って発生する変化を高速演算する技術です。
世界中で今雨や風がどのくらい降ったり吹いたりしているのか、リアルタイムで観測が可能になります。

ブロックチェーン

最後にブロックチェーンです。
これは仮想通貨や暗号資産にも応用されている技術で、ネット上にある情報をひとつひとつ登録・管理できる技術です。
情報の複製が不可能になるため、もしあなたの描いた絵をネット上で売りに出せば、それは世界で一枚しかない絵と同じ価値を持ちます。

技術が変える5つの未来

ムコパパ

少し難しい話が続きましたが、これからは未来の話をしましょう

ワコ

もう私アタマがパンパンだよ~

5つのIT技術を応用して、私たちの未来がどう変わっていくのかを見ていきましょう。

食料…生産から消費まで完全にコントロールできる

  • AI、5G、ロボット技術などを用いた無人農業
  • 必要なぶんだけ作るため食料廃棄ゼロ
  • ブロックチェーン技術で生産者がわかる
  • 培養肉
  • クロマグロの完全養殖

健康…どこにいても医療が受けられる

  • 遠隔操作手術
  • 健康状態をモニタリング
  • 介護ロボット

資源…脱・石油時代に突入

  • 太陽光が主なエネルギー資源に

都市…人々が首都圏に密集する

  • 無人の自動運転車の登場で自家用車がいらない
  • ネットショップで買ったものをドローンが自宅まで届けてくれる

労働…AIが人の替わりに仕事をする

  • 様々な仕事がAIに置き換えられていく
ワコ

なんだかいいことばかりだね!
働かなくていいなんて最高!

ムコパパ

テクノロジーをどうやって活かすかで、いろんな考え方があるんだ。
次はそれらを見ていこう。

未来に向けて加速する「4大イデオロギー」

ワコ

イデオロギーってなに?

ムコパパ

イデオロギーとは【勢力】のことで、世界をリードする主導権をめぐって競争しているチームのようなものだよ

著者曰く、デジタルテクノロジーにはその根本となる主義や思想によって4つに分類できます。

4大デジタルイデオロギー

  1. アメリカンデジタル
  2. ヨーロピアンデジタル
  3. チャイニーズデジタル
  4. サードウェーブデジタル

それぞれ詳しく見ていきましょう。

アメリカンデジタル

デジタルイデオロギーの代表格は、アメリカンデジタルです。
その特徴はイノベーションを第一に考えることです。

GAFAMと略される、Google・Apple・Facebook・Amazon・Microsoftの5大企業の起こす技術革新(イノベーション)は、私たちの生活にもはや必要不可欠となりました。
イノベーションを起こし、新しい技術によって環境にも配慮しつつ人々が豊かになることを目指しています。

ヨーロピアンデジタル

続いてEUを取り巻くデジタルイデオロギーがヨーロピアンデジタルです。
特徴としては「思想、人権、ブランドを大切にする」ことです。

ヨーロピアンデジタルを体系立てている規則が、GDPR(EU一般データ保護規則)です。
GDPRはGAFAMと真逆に、個人のデータを守ることで人権を尊重する規則です。
行き過ぎたイノベーションを規則で押さえ込み、環境破壊を食い止めることを目指します。

チャイニーズデジタル

近年急速な力をつけているのがチャイニーズデジタルです。
その特徴はずばり、国家主導で国民を豊かにするためにあらゆる挑戦をすることです。

近年急速な力をつけているのがチャイニーズデジタルです。
その特徴はずばり、国家主導で国民を豊かにするためにあらゆる挑戦をすることです。

BATHと呼ばれるバイドゥ・アリババ・テンセント・ファーウェイの4社により、驚くべきスピードでハイテクノロジーを社会に実用化してきました。

特に太陽光発電に力を注いでいて、【一帯一路構想】によってユーラシア大陸全土に中国産の電気を送る目論見があるようです。

サードウェーブデジタル

そしてもっとも成長が著しいのがサードウェーブデジタルです。
主にアフリカに様々な企業が集中したため、一気に経済が回るようになりました。

アフリカ国民は、近代化を飛び越して最新技術に触れるようになったわけです。
今まで手に入らなかったものがモバイル決済の技術と結びついて手に入るようになったため、プリペイドの通話料金などを売買するなど先進国が思いもよらない応用を見せます。

ワコ

技術の進歩で人は豊かになれるけど、どう豊かになるかで考え方が全然違うんだね

ムコパパ

そして注目したいのが、アメリカンデジタルとヨーロピアンデジタルの対立なんだ。
なぜならヨーロピアンデジタルは、SDGsと親和性が高いからなんだ

持続可能な社会の実現に必要不可欠なのが、環境・社会・統治の3点です。
環境を保護することで生態系や地球環境や資源の破壊を防ぎ、かつ私たちの住む社会を災害や環境の変化に負けない強靭な(レジリエンス)ものにし、倫理と人権に基づいて規則や法律で統治する流れによって、産業革命以降の行き過ぎた技術革新の暴走を止める働きをします。

SDGsの本質はそれら3点の【E・S・G】にあります。
持続可能な社会の実現に向けた倫理を持ち活動する企業を優先的に投資する手法【ESG投資】も、GDPAが行う統治でした。

【新常識】ESG投資とSDGsの関係をわかりやすく解説【銘柄も】 ESG投資という言葉をよく聞くけど、あやしい投資なんじゃないの?SDGsとどう関係しているの? iDeCoやNISAなどを利...

日本はSDGsを「まねる」のではなく「利用する」べき

5つのテクノロジーが未来を大幅に変え、4つのデジタルイデオロギーはそれぞれの思想に基づいてテクノロジーを進化させる未来が予測できました。
特に「法と倫理」によって市場を統制しようとするヨーロピアンデジタルは、「責任投資原則(PRI)」「パリ協定」に始まる統制によってSDGsを推し進め、イニシアチブを取ろうとしています。
そんなヨーロピアンデジタルのモデルとも言える国が「スイス」です。

スイスが大切にしているのは、

  • 技術による付加価値
  • 文化的価値
  • 機能的付加価値

などの価値を世界に提供することです。

ワコ

スイスの腕時計ってすごく高いよね!

ムコパパ

腕時計や精密機器の職人たちの技術を守るために、高い価値のあるものを相応の値段で売り買いするんだね

スイスの腕時計を見てもわかる通り、確かな技術で作られた製品には「高い付加価値」があるとされ、大切に扱われます。
価値が下がることはなく、年代を経てむしろ価値があがったりします。
この考え方は、たくさん製品を作ってたくさん売る「大量生産大量消費」の考えとは逆です。
それよりも、誰かから誰かへ製品がめぐっていく「循環型経済」の考え方に近いです。
循環型経済がスイスをはじめヨーロッパ諸国に根付いているのは、ヨーロピアンデジタルがどのイデオロギーよりも圧倒的に長い歴史を持っているからです。

戦争や時代の流れとともに大きく国が動く時代、庶民が現金よりも安心して保有できる「資産」として所有していたのが「時計」や「貴金属」などの「高い付加価値のあるもの」でした。
困ったときはそれをお金に換えればいい、家計にゆとりができたらまた資産に換えればいい、という考えです。

日本はどうでしょう。
日本は歴史こそ長い国ですが、どちらかといえば「大量生産・大量消費」の意識から逃れられずに、日々買う物はなるべく安くという価格競争に巻き込まれているのが現状です。

ワコ

身の回りでもSDGsの認知度は上がってきたけど…いきなりヨーロッパみたいになるのは難しいよね。買い物は安くしたいし、高くていいものなんて買えないよ

ムコパパ

だからこそ、日本にもともとある「日本らしさ」を活かしてSDGsをうまく利用すればいいんだ

現代の日本では、年金問題や社会保険問題などで将来に不安をかかえる人がほとんどです。
そんな状態で現金を高価な資産に換えておいたり、税金が高くなる分社会保障が手厚くなることに期待したりすることは難しいことです。

本書でその解決のヒントとなるのが「デジタル発酵」と呼ばれるキーワードです。

発酵とは、微生物(乳酸菌、麹菌、酵母など)のはたらきによって食物が変化し、人間にとって有益に作用すること

引用元発酵のきほん


本書では微生物を世界中にあふれるデジタルテクノロジーにたとえて「デジタル発酵」と呼んでいます。
つまり日本は米・中・欧の3つの国の中立的立場に立って、世界にあふれる新技術を取り入れて熟成させていくことで「日本らしいSDGs」が出来上がると述べられています。

日本はもともと漢字や世界の流行などを取り入れ、日本の中で熟成させ、オリジナルに置き換えるのがとてもうまい国です。
日本がSDGsをうまく利用すれば、新しいルールや4大イデオロギーの競争に巻き込まれることなく、日本がもっと元気で豊かな国になれるはずです。

デジタル発酵…世界中の最新テクノロジーを日本に取り入れて熟成させてオリジナルを作ること

SNSを通じて世界とリアルタイムでつながり、流行に敏感な若年層や「Z世代」とよばれる年代の人たちこそ、今まで思いもよらなかった発想にもっとも近い位置にいるのではないでしょうか。
だからこそ、世界の先を見据えて学んだり、行動したりすることにはとても意義があると信じています。
少し先の未来に目を向けるきっかけとして、SDGsに取り組んでみるのはいかがでしょうか。

まとめ
  • 日本はSDGsをうまく利用してスイスのような国になるべき
  • 日本にはスイスに負けない技術力や社会保障がある
  • 最新の技術をうまく取り入れて国内で熟成させれば、日本らしいSDGsができる
ムコパパ

最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございます。
これからも一緒にSDGsについて学んで行動していきましょう!

ワコ

まずはできることから!
できそうなことから!

ABOUT ME
ムコパパ
SDGsに関する情報を発信しています。SDGsについて詳しくない方でも、大人から子どもまで幅広く親しんでもらえるようなブログを運営しています。

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